もしも、年をとっても死なない体を持ってたら。
もしも、不思議な力が使えたら。
もしも、他の誰かになることができたなら。
村を出た僕を待っていたのは、その「もしも」だった。
はるか昔
ひとは『永遠』の存在だった
しかし『永遠』であるが故にひとが犯した
愚行の数々は神々の怒りに触れ
天罰の名のもとに、ひとは永遠の命を奪われた
そして今、人は言う
過去の幻影に、己が望みを託して
永遠という響きに、楽園の姿を重ねて
『楽園に還れ』と…
もしも、年をとっても死なない体を持ってたら。
もしも、不思議な力が使えたら。
もしも、他の誰かになることができたなら。
村を出た僕を待っていたのは、その「もしも」だった。
※クリックで紹介文が表示されます。漫画本編の内容に触れていますのでご注意ください
はるか昔に存在した古代の『王国』を生きた特定の人間の、記憶と不老の性質が現代の人間に宿る現象。因子を持つ人間が、なんらかのきっかけを原因に記憶を取り戻すことが多いが、原因は不明。この現象が起きた人間は、肉体年齢がピークを迎えてからは老化しなくなる。
見た目はただの人間だが、現代を生きる人に比べてやや色鮮やかな頭髪を持つという、身体的な特徴がある。
『王国』に生きた一部の人間のみが使えた、言葉で世界を縛り、物理の法則に介入する力。力を発動するためには、特定の規則に従った言葉を発声する必要がある。
『魔法』に必要な手順を省略したり、その効果を増幅させたり、使用者への負担を軽減することができる物体。多くは貴金属であり、杖や装飾品の形に加工されてかつての魔術師たちに携帯されていた。
かつての『王国』に存在した、魔術師同士の主張がぶつかった際に、自らの正当性を証明するために名誉と誇りを賭けて戦う慣習。先に血を流したほうが敗者であり、敗者は勝者に提示された条件を飲む必要がある。
血闘を挑まれてそれに応じることができなかった場合、それは黙って相手の要求を飲むことを意味する。
はるか昔…
ひとが、病の苦しみも、老いへの嘆きも、
待ち受ける死への恐怖も
そして誕生の喜びも知らなかった時代。
それは『終わり』のなかった世界が終わってしまう前の
ひとつの出会いと別れの物語。
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ただ一人の『王』と呼ばれる存在が世界をおさめるピラミッド型の中央集権社会。中央/東/西/南/北の5地方に分かれた世界で、『中央』が東西南北の下部組織を束ねている。
東西南北にわかれた地域には、それぞれ中央から管理権限を委託された支配者がいる。各支配者たちは四方の土地をさらに細かく区分して、郡と呼び、配下の者に管理させている。郡の管理者を『太守』と呼ぶ。
『魔法』を使えるという資格取得者に捧げられる称号。正確にはそれ自体が身分や職業を表すわけではない。ただ、魔法を使えることは管理職になるための必須条件なので、魔術師=何らかの特権階級であるという認識をされている。
理論さえ理解すれば誰でも使えるが、制度上まず一般人は取得できない。
『王国』の民は一人一人が住民台帳に記録され、身分証を身につけて管理されることと引き換えに、日々の仕事と生活の保障・危険からの庇護を受けられる。その籍を失った者は『浮民』と呼ばれ、定住せずにあちこちの街を彷徨っている。
命を賭けて交わす主従の契り。互いに力を得る(肉体的な能力が強化される、『魔法』の使用時の負担が減るなど)代わりに、守るべき主人が命を落とした時、従者の契約を交わしたものの命も尽きる。
更新しなければ、10年ほどで自動的に切れる。契約しているもの同士は、お互いに何となく察することができるらしい。
七年に一度、王国の発展と栄光を祝って開催される祭。人に知恵と魔法を与えてくれた神々へ、感謝や祈りを捧げる儀式でもある。
「僕たちはかつて、永遠の生命をもっていた…」
人々が過去を忘れ
『魔法』や『王国』のことも
ただの伝説として語られることになった、今。
当時の記憶を手にしてしまった若者たちは、何を願うのか。
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私の中にはもう一人の「わたし」がいる。
ある日突然、ノルテという名の7歳の幼女として目覚めた
「わたし」がもっているのは、
永遠を約束されていた世界の終焉の記憶。
変わる肉体と変わる心、そして変わる世界の中で生き抜く
私と「わたし」の物語。